エサレン・ワークショップとは

 

フェルデンクライスを学ぶ者にとって古典的、教科書的存在であり、世界中のフェルデンクライス指導者養成コースのベースになっている、「アレクサンダー・ヤナイ」と呼ばれるレッスン集がある。

フェルデンクライス博士はイスラエルのアレクサンダー・ヤナイ通りの教室で、25年以上にわたり毎週、一般の人向けにヘブライ語でレッスンを行った。その録音をテープ起こしたものを、さらに英語に翻訳したもので、全11巻、550レッスン。

ただし、散逸したものも多くて、残っただけで550レッスン。しかもフェルデンクライス博士が行なった順番ではないようで、なかなかメソッドの全体像はつかめない。

 

それに対し、1972年にフェルデンクライス博士が、アメリカ・カリフォルニア州のエサレン研究所に招かれて行なったワークショップがあり、「エサレン・ワークショップ」と呼ばれている。エサレン研究所は当時、「人間性回復運動」の世界的な発信地だった。

そのワークショップでフェルデンクライス博士が英語で行なったレッスンの録音(長らく火災で焼失したと思われていた)とノートが、近年、フェルデンクライス教師向けにアメリカで出版された。

  

「エサレン・ワークショップ」には、当時の著名な精神心理療法医やアレクサンダー・テクニークの教師、さまざまな分野のセラピストが参加した。フェルデンクライス博士はそのコースを、ATM(言葉によるグループレッスン)の指導者養成コースとして実施。毎日2レッスンずつ5週半にわたる集中的なATMトレーニングが行なわれた。

 

参加者にメソッドの理論的背景を伝えようとしたことから、内容も順番も厳選された45レッスンの中に、他では見られないほどの説明が織り込まれており、博士が何を重要としていたかが読み取れる。

フェルデンクライス博士のATM指導を知ることができる貴重な資料である。

 

   

★2020年まで約2年間、神戸元町で毎月エサレン・ワークショップのレッスンを行ないました。

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