気まぐれ通信 on the web

「気まぐれ通信」というのは、フェルデンクライス西神戸のレッスンを受けていらっしゃる方へ、私からの不定期発行の通信です。

私が手渡している「気まぐれ通信」は、時代に逆行して、すべて手書きです。

「気まぐれ通信」は、レッスンにいらっしゃる方だけ、のつもりでしたが、ふと気が変わって、webにも載せてみようと思いました。

(web上では手書きではありません)

 

 

気まぐれ通信 vol.2

2011.5.10発行

 

ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?

私は、明石・魚住の住吉神社に藤を見に行ってきました。五分咲きくらいで、淡い紫色の花房がいくつも垂れ、甘い独特の香りがふわりと漂ってきます。あちこちからブーンブーンと低い音が聞こえ・・・花から花へと飛び回るマルハナバチの羽音です。

ミツバチよりずっと大きくて、ずんぐりむっくりの丸っこい体と、それに似合わぬ小さな羽。

リムスキー=コルサコフの名曲「熊ん蜂の飛行」は、このマルハナバチのことなんですよ。

 

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〔それでもマルハナバチは飛ぶ〕

 

「航空力学的に、あの大きな体があんな小さな羽で飛べるわけがない」という科学者の目の前で、いとも軽々と、アクロバット飛行までやってみせるマルハナバチ。
「マルハナバチは不可能と知らないから飛べるのだ」
―この話は、スウェーデンでは誰でも子どもの頃から知っているお話で、大人になってからも勇気づけられる、といいます。
「自分には無理、できるわけがない」と思うことが、自分の可能性を制限し、不可能にしてしまう。年齢は関係がありません。

その制限をかけているのは、脳です。制限しているのが、将来の大きな夢であろうと、日常の小さな体の動きであろうと。

モーシェ・フェルデンクライス博士は、「われわれは自らの自己イメージどおりに行動する」と言います。
 自己イメージは、あらゆる行動に含まれる4つの要素―運動、感覚、感情、思考―から構成されていて、その中で運動がいちばんアプローチしやすい。それら4つの要素はお互いに関連しているので、運動(体の動き)にアプローチすることで、他の感情、思考などにも影響を与えることができる。
それがフェルデンクライスの方法です。レッスンの後、体が楽になるだけでなく、「なぜか頭がスッキリした」「心が楽になった」という声もよく聞きます。

 

不可能を可能に、可能を容易に、容易を優美に”― 

 

フェルデンクライスの言葉です。自己イメージが変わると、
自分の行動が変わり、未来が変わります。

 

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〔古代ハワイの知恵〕

 

古代のハワイに伝わる隠された知恵「フナと7つの法則」といわれるものがあります。 フェルデンクライスとは全く関係がありませんが、私の好きな言葉です。そのうちの2つをご紹介します。

 

  Kala(カラ): 「限界は存在しない」

  Ike(イケ): 「世界はあなたが思っているようになる」

 

自分で限界をつくらないこと。

不可能と思わないこと。

フェルデンクライスの考え方にも通じますよね。

「フェルデンクライス西神戸」のメールアドレスです。

 

フェルデンクライス西神戸 

 メールアドレス:  kalaike★gmail.com

  (メールを送るときは★を@に変えてください)

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気まぐれ通信 vol.1

2011.4.14発行

こんにちは。フェルデンクライスのレッスン、楽しんでいらっしゃいますか?

毎回のレッスンでは、あれもこれも伝えたいことがいっぱいありますが、

時間に限りがあるので、少しでもこの通信でフォローできたら、と思っています。気が向いたときの不定期便。どうぞ気楽にお付き合いください。

 

〔イチロー選手と清原元選手〕

清原元選手、人間味があって私は好きですが、持ち前の根性と頑張りで苦行に耐え、「肉体改造」で筋肉を増強し、ついに膝の故障が悪化し、引退せざるを得なくなりました。

増強し、鍛え上げた筋肉は、重い鎧を着けているようなもの。そんな過重な負担が膝の悪化につながるのは当たり前。指導したトレーナーの責任は重大です。

 

一方のイチロー選手は、他の大リーガーと比べると肉体的には大人と中学生です。でもイチロー選手は筋肉増強には興味がありません。彼は独自のマシーンで、モリモリの筋肉ではなく、しなやかに動く筋肉を作っているのです。

またイチロー選手は、自分以外の人のバッドには決して触らないと聞きます。感覚が鈍ってしまうから。自分の内部感覚に鋭敏でいること。それが、彼の「どんな球でもヒットにできる」プレーにつながっているのです。

 

さて、お気づきでしょうか?実はフェルデンクライスのやり方は、イチローのやり方に近いのです。

折りしも節電に関心が高まっているとき。不必要な電気を使っていながら、「電力が足りない」と増やすことを考えるのではなく、不要な電気を使わないこと。

同様に、むやみに筋肉を増やそうとせず、より少ない筋力で動ける効率のよい体の使い方を学ぶこと。不必要な体の緊張(=本来必要のない筋肉を無駄に使っている状態)は、待機電力以上にエネルギーを浪費しているかもしれません。

それを学ぶことが、フェルデンクライスのやり方です。

 

〔カキの養殖と森の話〕

膝の悪化といえば、フェルデンクライス博士自身、膝のケガが悪化し、医者から脚の切断を宣告され、それを自力で治したことが、フェルデンクライスの方法を体系化するきっかけになりました。

ベッドの上でシーツを足の指で引っぱったら、シーツの向こうの端もついてこちらに来た―そうだ、シーツは一つながりのものだからだ!それは体も同じこと、と気がついたのです。

 

厳密に言えば、フェルデンクライス博士の膝は完治したのではありませんでしたが、元のように歩けるようになりました。膝以外の体の他の部分が協調して働くようになったことで、歩けるようになったのです。

悪いところ、痛いところそのものにアプローチするのではなく、体はつながった一つのものだから、他の部分に働きかけていく。

漁師さんが、カキの養殖のために海そのものに働きかけていくのではなく、海にそそぐ川の上流の森を豊かにしている―そんな話によく似ています。

(2011年4月14日発行)